どーも、まっすーです。
キャンプが好きだから、という理由で木の画像を載せているわけではありません。
今回は、全身麻酔と対になる概念、局所麻酔について紹介します。
言葉自体は聞いたことがあるのではないでしょうか?
全身麻酔について、すとんと落ちていない方はこちらの記事もご覧ください。
局所麻酔とは
実は、用語としてはやや複雑です。
というのも、「広義の局所麻酔」と「狭義の局所麻酔」があるためです。
共通して言えることは、
体の一部を麻痺させて、痛みを取る麻酔方法。
ということになります。もう少し解説していきます。
(いわゆる狭義の)局所麻酔
おそらく、一般の方のイメージはこちらの意味です。
具体的には
眼の処置時の目薬、歯医者での歯茎の注射、胃カメラなど検査時の喉のスプレーなど。
局所麻酔薬を使用した場所にだけ効く、ということになります。
木のイメージで言うと、葉っぱ1枚だけ、という感じです。
体への負担が少ないと予想される、短時間の手術や処置時の麻酔です。
それ以外の局所麻酔 = 区域麻酔
「背中の麻酔」や「神経のそばに注射する」、などと説明されるものが該当します。
先ほどと違って、局所麻酔薬を使用していない場所にも効く、となります。
ある一定の場所に効くことから、区域麻酔と呼ぶこともあります。
なぜこんなことが起こるのかというと、
神経が枝分かれする前に薬を使い、いくつもの神経をまとめて麻痺させるからです。
木のイメージで言うと 枝や幹ごと麻痺させる、という感じになります。
種類や方法はいくつもあるのですが、
大きな違いは「どこの神経を」「どれだけまとめて」麻痺させるか、ということです。
まとめて麻痺させる分、よりしっかり痛みが取れるので
ある程度大変な手術の痛みも取ることができます。
手術室で必要になることが多いので、麻酔科医が担当することが多いです。
(広い意味での)局所麻酔の特徴
よい点
・体への負担が少ない
・途中で何かあれば伝えられる (体勢が辛い、足が痺れてる、とか)
・手術後の回復が早い (全身麻酔では日帰りになることは稀です)
・手術後も鎮痛効果が続くものもある
よくない点
・怖い、辛い、記憶があるなど
・体が動かせるので危ないことがある
・局所麻酔では不可能な手術がある
→ 全身麻酔を併用することがあります
ということで、局所麻酔について紹介しました。
この程度知っていれば、まずは十分なのではないかと思います。
ここで初めて、細かい種類について用語を出しましたが、
手術を受ける一般の方は、細かい種類に詳しくなってもあまり役立たないので
参考の参考の参考程度にしてください。
わかりにくいことがあれば、ご連絡・ご指摘いただけると嬉しいです。
ではまた!
さらに詳しく : 区域麻酔と全身麻酔のコンビネーション
区域麻酔のよくない点、については既に紹介しましたが、
これは裏返すと、全身麻酔の有利な点とほぼ重なります。
例えば、
本来局所麻酔のみで可能な処置・手術であっても
認知症のお年寄りや子供などの場合、安全に手術ができないと判断されれば
必要最小限の全身麻酔を併用することもあります。
また、一般的に全身麻酔で行うことが多い手術であっても
手術を受ける患者さんが全身麻酔に耐えられないと予想される場合は
なんとか局所麻酔メインで手術ができないか、検討することもあります。
逆に、全身麻酔で行う手術であっても
手術後の痛みを和らげるために、局所麻酔を併用することはよくあります。
こんな風に、手術内容と患者さんの状態を踏まえて、
手術する医師、そして麻酔科医は麻酔の方法を考えています。
参考になれば嬉しいです!
コメント