飲まず食わずの大切さ【術前の絶飲食】

全身麻酔

どーも、飲み食い大好きまっすーです。


手術を受ける時には、

食べるのは手術前日の●時まで

飲むのは当日の●時までにしてください!

なんてことを必ず言われるのですが、どうしてでしょうか?

今日はそんなお話です。

絶飲食のすゝめ : 理由は大きく2つ

・全身麻酔の前後は諸々の理由で吐きやすい
・全身麻酔中は咳ができない   (危ないので体が動かないようにしている)

イメージしてみてください。どうなるでしょうか?
よくて肺炎(誤嚥性肺炎というやつ)、悪くて窒息です。おそろしや…!

なので、胃の中にはできるだけ中身がない状態にしておきたい、ということなのです。

逆に、頑張って絶飲をしすぎて極端に脱水になるのも体には負担なので
指示された時間までは普通に飲水し、その後はきちんと守る、というスタンスで大丈夫です。

全身麻酔以外の時は?

実は日本麻酔科学会という麻酔科医の親玉が、絶飲食についてガイドラインを出しているのですが

本ガイドラインの適応は,全身麻酔,区域麻酔,鎮静,鎮痛を要する待機的手術患者と
する.

日本麻酔科学会 術前絶飲食ガイドライン より

と書かれています。

これはつまりどういうことかと言うと、大部分の手術患者が対象と思っていい、ということです。

吐きやすかったり、咳ができないのは全身麻酔の時だけでしょ?

と思うかもしれませんが、

局所麻酔であっても吐いてしまうことがあります。(手術中に気分が悪くなる方は結構います)
仰向けで横になっている状態で吐くのは危険です。
また、途中で全身麻酔に切り替えることも稀にあります。

そんな訳で、絶飲食をするよう言われた時は
局所麻酔でやる短い手術なのに大げさだなぁ、意味あるのかなぁと思わずに
慎重に私の安全を考えてくれているんだなぁ」と思うのがいいと思います!

以上、手術前の絶飲食について紹介しました。

絶飲食の大切さについて、すとんと落ちたでしょうか?
これだけでも、緊急手術は大変だ、ということがわかってもらえるでしょう。
(絶飲食はできていないことがほとんど)

手術の内容や、患者さんの状態に合わせて指示が出されると思うので
皆さんは従っていただけば問題ないのではないかと思います。

一応、詳しい時間の目安については さらに詳しく に書いておきます。

何かご不明点などあれば教えていただけると嬉しいです。

ではまた!

さらに詳しく : 絶飲食時間について

目安の時間

ガイドラインでは以下。

飲水:手術室に入る2時間前まで (水・お茶などが基本。脂肪・食物繊維・アルコールは×)

食事:最低6~8時間前まで (安全を重視して前日夜までとされることも多い)

母乳:4時間前まで (粉ミルクや牛乳は、さらに胃に残りやすいので6時間前まで)

特殊な場合

吐きやすいと思われる患者さん (おなかの疾患の患者さん、重症の妊婦さん…)
そもそも全身状態が悪い患者さん

などの場合では、さらに慎重な絶飲食時間の検討がされることもあります。

よくあるケースとしては、
調子が悪くて前日からほとんど飲み食いできず受診→おかなの疾患で臨時手術
というような場合でも、おなかが動いていないと判断して
絶飲食がされていない(フルストマックと呼びます)として対応する、というものです。

参考にしてください。

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