こんにちは! 子供の頃に見た潜水艦の映画が少しトラウマ、まっすーです。
麻酔科医って何する先生なの? 眠らせた後何しているの?
こんな方、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
ぼく自身、そして多くの麻酔科医が「自分たちの仕事は理解されにくい」と感じています。
今日は細かいことはさておき、イメージを掴んでいただけるように話したいと思います!
一言で言うと「手術を乗り越えられるよう患者さんを守る人」です。
解説していきます。
麻酔科医とは
イメージはパイロット?
麻酔科医をパイロットに例えることがあります。
道のりが手術、乗り物が患者さん 。
潜水艦がわかりやすいと思います。 (飛行機に例えることもあります)
怖くなく、辛くなく、静かに眠れている状態を水中に潜っている、と考えてください。
向こう岸に渡るため、浅すぎず、深すぎず、うまく舵を取るパイロットが麻酔科医です。
水が汚かったり、とても浅いところがあったり、水中に障害物があったりします。
途中で潜水艦が故障したり、目的地を変更したりせざるを得ないこともあるかもしれません。
それでも陸地に着くためにあの手この手を尽くす。
その知識や技術を磨いているのが麻酔科医です。
患者さんの辛さをとる
患者さんが、怖かったり痛かったり動いたりしてしまうと、手術が安全にできません。
患者さんのため、そして外科医のためにも、患者さんの辛さを取るのが麻酔科医です。
痛みを取る方法も、麻酔科医ならではの引き出しをいくつか持っています。
全身管理をする
麻酔薬を使ったり、手術を受けたりすることは、体にとって負担になります。
その時々の体の状態を見極めて、体調を整えていくのも麻酔科医です。
手術中、体に緊急事態が発生した場合の対応も、麻酔科医の担当です。
以上、「麻酔科医とは?」について簡単にお話ししてみました。
どうでしょうか? 麻酔科医の大切さ、すとんと落ちたでしょうか?
まとめると、「手術中の患者さんの安全を守る人だ」ということです。
おおざっぱですが、これくらいで十分かと思います。
全身麻酔については、また改めて書く予定なので参考にしていただければ幸いです。
もう少し詳しく知りたい、という方は「さらに詳しく」を読んでいただければと思います。
(内容はやや専門的になるので、医学生や医療スタッフ向けと考えてください)
それではまた!!
さらに詳しく
続・潜水艦の例え
潜水艦の運転について、細かく実際の手術麻酔と対応させてみると
水が汚い、浅い → 元々、患者さんの状態が悪い (心、肺…)
急に浅い、障害 → 手術自体が難しい
潜水艦の故障 → 大量出血する等、急変の類い
目的地の変更 → 手術内容の変更、挿管帰室
などをイメージしてみるといいかもしれません。
手術を安全に行うためには 鎮静薬・鎮痛薬・筋弛緩薬等を使うことが必要な一方、
それらはどれも「人の正常な機能を奪う」薬、いうなれば毒薬・劇薬です。
(沈没しないために、気道確保をし、モニタリングをし、各種薬剤で支えるわけです)
水にしっかり潜らせるけれど沈没はさせない。
できるだけ元の高さの陸地に帰ってもらう。
この患者さんは潜って大丈夫なのか? どれくらい潜る余力があるのか?
故障にどれくらい耐えられるのか? 万が一の時、引っ張り上げる手立ては?
麻酔科医は毎日、実はこんなことを考えているのです。
縁の下の力持ち
何かを守るタイプの仕事全般に言えることかもしれませんが、
何事もない・順調にいった、という時には少し目立ちにくいのが悲しいところです。
(そして患者さんは寝ていることが多く、あまり感謝されない)
何を考えているかわからない!
何も考えていなさそうに見える…
という時もあるかもしれませんが(笑)、
それは 水がきれいで、しっかり深さがあり、故障もせず、自動操縦で順調な時です。
目立たないに越したことはない、縁の下の力持ち的な職種なのです。
変わったポジションですが、大事な職種だというプライドは捨てずにいたいです。
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