どーも、こんにちは!
お得なものに飛びつく人と、逆にそのものの質を疑ってしまう人。
僕はやや後者寄り、まっすーです。
今日は、全身麻酔にもれなくついてくる呼吸の補助のお話を紹介します。
こちらの記事を先に読んでいただくのがよいと思います。
全身麻酔 ≒ 呼吸の補助が必要
睡眠時無呼吸(症候群)という言葉、聞いたことあるのではないでしょうか?
ざっくり言うと、眠っている間に呼吸が病的に止まってしまうことを言います。
本題から逸れてしまうので詳細は割愛しますが、
ここでは「眠ることで喉が緩んで、空気の通り道が潰れる」と考えてください。
(実際にはそれ以外のメカニズムのこともあります)
全身麻酔中は「どんな大変な手術をしても目が覚めない」状態になるので、
睡眠時無呼吸と同等、もしくはさらに激しい状態になります。
また、全身麻酔薬の中には「寝返りを打てなくする薬」も含まれるので
息をする筋肉も動きにくくなってしまいます。
人間、息をすることが必要なので、 全身麻酔 ≒ 呼吸の補助が必要
ということになるわけです。
実際のイメージ
呼吸の補助方法
呼吸を助けなきゃいけないのはわかったけど、
実際にはどうするんだい?
いくつか方法や器具があるのですが、
・たいていは口から喉に管を入れる必要がある
・完全に眠った後に入れる
・目が覚める時に管は抜ける
ということくらいを知っていれば、全身麻酔を受けるにあたって充分かと思います。
トラブル
細心の注意を払っても、管を入れる時にトラブルが起こることがあります。
<ほぼ必発>
喉の痛みや違和感 (それによる咳)、声のかすれ
<たまに>
唇、口内、喉 の傷や出血
<とても稀>
歯の損傷 (欠けたり揺れたり折れたり)
ほとんどは数日でよくなるのですが
歯の損傷だけは、当然自然に治るものではありません。
残念ながら、喉に管を入れる操作はかなり難しいことがあり(骨格などによる)
患者さんの呼吸をキープすることを優先した結果として
歯や唇などを傷つけてしまうことがある、という点はご理解いただけると幸いです。
ということで、全身麻酔時の呼吸の補助について紹介しました。
すとんと落ちたでしょうか?
これ以上は小難しくなってしまうので、興味のある方は「さらに詳しく」をご覧ください。
(対象は医学生、医療スタッフなどです)
ではまた!
さらに詳しく : 呼吸を補助する方法の詳細
器具の細かな違いはあれど、大まかに以下の種類があります。
・挿管チューブ (種類多数、用途に応じて使い分けます)
・声門上器具 (商品名は色々)
・管なし (酸素マスク)
挿管チューブ(左)と声門上器具(右 写真はプロシールという商品) 今後よい写真が撮れたら差し替えます。
挿管チューブは確実な呼吸補助ができる反面、喉への刺激が強く
結果的に 深い全身麻酔 が必須になる と考えてください。
声門上器具は喉への刺激が軽いので、
手術中の痛みが強くなければ (他の鎮痛が著効すれば) 軽い全身麻酔で済み、
全身麻酔からの覚醒が穏やかで、術後の喉の症状も軽いことが多いです。
一方で、やや不確実な呼吸補助となるので注意が必要になります。
特に気道確保をしないのは、局所麻酔で可能な手術などが該当します。
うとうとする薬を使う場合は、念のため酸素マスクをすることがあります。
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